それ誘拐です!親がそばにいます!鳥のヒナは拾ってはいけません

梅雨の晴れ間に山歩きをしていたら、登山道のど真ん中に鳥のヒナが落ちていました。
周辺の景色に溶け込むカラーをしているので、もう少しで踏むところでした。

ウンとかスンとか何とか言ってくれよ!
と逆ギレもしたくなります。

登山道に鳥のヒナが

ヒナを拾わないでキャンペーン

日本野鳥の会は20年に渡りこの「野鳥の子育て応援(ヒナを拾わないで)キャンペーン」
をやっています。

善意から拾って立ち去ったとしてもそれは誘拐だ、という過激なポスターもどこかでみたことがあります。
(これは野鳥の会無関係かもしれない)

落ちてるヒナの親鳥は近くで見ている!

巣立ちの時期にその辺に落ちているヒナはひとりぼっちでいかにも寂しそうに見えても
近くに親鳥がいて様子をうかがっています。

人間がそばにいたらとても近づけません。

自動車や人間、カラスや猫にいかにもやられそうな場所に落ちていたなら、近くの安全そうな場所に移動させてやってあとは立ち去りましょう。

ヒナに野鳥として生きる教育を施してやれるのかどうか

ニンゲンには子供に教育を受けさせる義務というものがありますが、鳥にも餌の取り方や外敵からの身の守り方等教育の義務があります。

人工保育でうまく給餌できて身体が育ったとしても、野生で生きていくために必要な教育を
人間がうまく施せるのか?というのが大きな問題です。
餌のとりかた、天敵は何か、どうやって逃げるのか、教えるのはムリです。

気が付いたら手乗りインコみたいに懐いちゃって萌え~、なんて、でも野鳥でそれやると法律違反です。

また、ヒトは空を飛べないというのも大きなハンデです。

動物園の飼育係さんがタンチョウヅルのぬいぐるみを着て人工保育をしている様子を見たことがありますが、そこまでやる覚悟がなければなかなかできることではないのかもしれません。

鳥のヒナを食べて生きる動物もいる

弱い存在を助けるのは人間の世界。
鳥のヒナを生きる糧として生きる野生動物もおり、そこへ介入するのは人間のエゴってもんです。
しかし巣から落ちたいかにも弱弱しい存在を喜んで差し出す気にはとてもなれません。
もちろん自分が持ち帰って夕飯のおかずにする気もさらさらありません。

拾ったスズメのヒナ、チュンスケの思い出

今回山の中で出会ったこの子(あとで調べたらキジバトのヒナっぽいのだけど嘴の色だけが違うんだよな~)、狼狽することなく手袋をしてそっと登山道脇の木の根元に移して立ち去りましたが、すぐに行動できたのは10年以上前に出会ったスズメのヒナの1件があったからでした。
自宅マンションの外階段踊り場に落ちていた雀のヒナ、いったん自宅へ持ち帰りましたが
ネットで調べると上記の内容。
こりゃ持ち帰ったらいかんのか!と慌ててヒナが落ちていた場所近くのベランダに空き箱を置きその中にチュンスケ(すでに命名)を入れておきました。
ネットの記事通り、すぐに親鳥が通ってくるようになり、なにやら得体の知れない餌を与え続け、しばらくのちたくさんの糞だけを残して無事巣立っていきました。
不思議とチュンスケの鳴き声だけは他のスズメたちとは違って聞こえ、巣立った後もたまに聞こえてくる鳴き声に、ああ、元気だなと安心したものです。
野生のスズメの寿命は2~3年、飼育下では10年とか生きるものもいるようですが、チュンスケはスズメとしての人生を全うしたことでしょう。
うちにいたら猫に食べられちゃってたかもしれないし・・・。

人間の世界もなかなか厳しいですが、野生の世界はもう生きるか死ぬかなので、人間に生まれたことは幸運だと思わざるを得ない。
チュンスケのお蔭で道端で鳥のヒナが落ちていても狼狽せずに済みました。
登山道のど真ん中で出会った彼だか彼女だかのその後は気になりますが、無事に成人して鳥としての生を全うすることを祈ります。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする