赤ちゃんを運んでくるといわれているコウノトリ。
日本にもいるってご存知ですか?
千葉県野田市のこうのとりの里では、6年連続でコウノトリのヒナが誕生したそうです。
ハッピーバースデー!
コウノトリの絶滅
コウノトリといえばコウノトリの郷で有名な兵庫県のイメージがありますが、いかんせん大きな鳥で、しかも渡り鳥。
彼らの行動範囲はかなり広いものです。
彼らに県境どころか国境も関係ないように、日本国内でもGPSを駆使し、各地の人々の観察とあわせ、空から陸から観察は続けられています。
コウノトリは昔はその辺にカラスやスズメみたいな感じでいたのに、食べられちゃったり環境の変化が激しかったりして日本で繁殖する野生種は絶滅してしまいました。
その後、中国やロシアから譲り受けた個体を繁殖させ、日本国内での野生化を目標としています。
佐渡のトキと同じですね。
地名に「鶴〇〇」って場所がよくありますが、あれは本物のツルではなく、コウノトリのことを指している可能性もあるんだそうです!
コウノトリと間違いやすい鳥
コウノトリは風切羽が黒いので、羽を畳んだ時お尻が黒くてタンチョウと似ていますが、タンチョウは首のところが黒いし、コウノトリは首から上も白く、目のアイラインが特徴的ですね。
あのアイラインのせいか、コウノトリの顔をアップで見ると結構ワルい感じで、シベリアンハスキー的な可愛さがあります。
あと紛らわしい存在としては、西の方にいるナベヅルなんかはボディがうっすらグレーなので、見分けはできるかと思います。
あとはサギの部類ですが、コウノトリはサギよりはだいぶ大きいです。
タンチョウは結構な声で鳴きますが、コウノトリは鳴かない代わりにクチバシを叩き合わせて音を出す、クラッタリングをするそうです。
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コウノトリで有名な兵庫県。
コウノトリの餌となる生物を育むために、環境にローインパクトな方法で田んぼを作っています。
その田んぼでできたお米が「コウノトリ育むお米」なわけです。
コウノトリの保護は、ライチョウの保護とはまた違って、手付かずの大自然に暮らす鳥ではなく、どちらかというと人の手の入った里山、田園地帯ですので、一概に自然保護、というのとはちょっと違うのかもしれませんが、豊かな里山を守るのは大事なことなんですね。
GPSコウノトリ位置情報が面白い
野田市のこうのとりの里では、放鳥した個体にGPSをつけ、位置情報を把握しています。
現地の人々の観察もあわせて行われていますので、不幸にも命を落としてしまった個体は、遺体を回収して死因を調査することもできるわけです。
詳細な位置まではわからないものの、この辺、というのは数日おきに公表されていて、例えば平成28年に放鳥された雄のキズナさんという個体は、数日間の間に新潟、神奈川、千葉と移動しているのがわかり、ヘリコプター並の機動力であちこち神出鬼没です。
☆地図で見るとわかりやすくてすごく面白いので是非ご覧ください☆
コウノトリ放鳥情報(野田市ホームページ)
まめに更新されています!
まさかこんな場所にいるわけがない、と思わずに、周りを見渡してみると意外な場所でも出会えるかもしれませんね。
コウノトリと赤ちゃんの伝説は欧州限定?
コウノトリが赤ん坊を連れてくるのは有名な話ですが、実はヨーロッパ限定のようです。
この伝承のコウノトリは、ヨーロッパとアフリカ北部に分布するシュバシコウで、クチバシが赤いのが特徴です。
ちなみにこのシュバシコウと日本のコウノトリの間では交配が可能ですので、日本のコウノトリが赤ん坊を運んできても何ら問題はないと思います。
シュバシコウは個体数が多いみたいなので、欧州での少子化問題は・・・!?
大きな鳥が大空を舞うのは優雅で美しく、ハクチョウなんかは人気があります。コウノトリが普通にそのへんにいる世界ってどんなだったでしょう。それほどはるか昔の話ではなかったのです。それが将来現実になるかもしれません。私の目が黒いうちにそうなれば嬉しいですが、そうでなくても100年後200年後の日本の空をコウノトリやトキにぜひ飛び回っていて欲しいと思います。