猫の飲み水を変えてやろうと手を伸ばしたとき、茶色い何かがすばやく逃げました。
うわー!出たー!ゴキジェットを取りに走ります。
ネコがそばにいないことを確認、そして相手が何なのかを確認。
クワガタにゴキジェットかけちゃったらたいへんです。
物陰に隠れた相手をバンバン壁を叩いたりして脅かして追い出すと、それはアシダカグモでした。
猫がアシダカグモにクラッキング
ゴキジェット中止!
相手はどちらかというと正義の味方だからね、むしろゴキジェット使わなきゃいけないやつを食べてくれるヤツだからね。
でもどこかにアシダカグモがいる生活、なかなかスリリングで心臓に悪いなぁ。
そんなこんなでドタバタしている間も、うちの猫は別の部屋で静かに過ごしていました。
何時間かして、アシダカグモの存在を忘れかけたころ、猫がドタバタと「ニャニャニャ」なんて言いながらアシダカグモを追いかけてこちらに向かってきます。
なんでこっちに来るんだよ!
慌ててダイニングの椅子に飛び乗った際、足をぶつけて痛かったです。
ネコがこの「ニャニャニャ」って言うのは獲物を追いかけて興奮したときに言うセリフです。
ネコによって「カカカ」だったり「ケケケ」だったり、たぶん聞く人の耳によっても違うようですが、だいたいこんな感じです。
アシダカグモ的にはピンチです。
うちの猫は子供の頃になんかクチャクチャ言ってるから「何してるの?」と口を見たら
クモの足がはみだしていたりしたワイルドキャットです。
ドタドタこちらに追い込んできて、わたしが椅子の上に避難しつつ見守っていると案の定アシダカグモはささっとごみを収集日まで入れておく棚の裏に逃げ込んでしまいました。
しばらくすると出てきたので、猫より先に発見してプラごみの中にたまたまあったセブンイレブンのアイスコーヒーの容器でカパっと捕まえて外へ逃がそうと容器を構えました。
が、長い脚を傷つけそうでこわくてかぶせられません。
かぶせた瞬間移動してしまったら潰してしまいますし。
結局、魚用のちいさい網でバンバンしながら窓の外へ追い立てて我が家からはお引き取りいただきました。
クラッキングの謎、なぜ猫はカカカと言うのか
そんなん鳴いてたら相手に狙ってるのバレバレやん、と窓の外の木の枝にとまっている小鳥に大興奮して「ニャニャニャ」と騒ぐ猫にいつも言っているのですが。
これは相手を追い込もうとして発しているわけではなく、本能からこうなっちゃうらしいです。
ネコって身近な存在なのに、どうもはっきりとわからないことが多いみたい。
でも家の中に入り込んだ蚊とか、人間の目では見つけづらいものも猫が「ニャニャニャ」と騒げばすぐ気づきますのでなかなか便利です。
窓の外の小鳥も、たまに変わったのが来るので猫に教えられて観察するのも楽しいものです。
猫的には狩れないのでストレスが溜まるでしょうが、そこは狩っていいオモチャや爪とぎで発散させてあげましょう。
クラッキングの仮説、やあやあ我こそはミーコなり
猫の「カカカ」とか「ケケケ」は(クラッキングと言われていますね)ガラス越しの相手とか、実戦できない相手に対して実戦できないストレスから発するのでは、という意見もありましたが、猫はガラスなしの対面状態でも攻撃を仕掛ける前にクラッキングします。
実際動物を狩って生きている野生種のネコ科動物はクラッキングしないそうです。
そりゃそうだ、敵に「やぁやぁ我こそは・・・」ってやるようなものですから。
そうするとイエネコのみに見られる行動、前述の「ガラス越し」理論の方が正しいような気もします。
いや、猫のクラッキングって実はこの「やぁやぁ我こそは」って口上だったんじゃないの?
本能を抑えこまれがちな飼い猫が身に着けた、武士道精神とか・・・。
かかりつけの獣医さんのお宅ではワンちゃんと猫ちゃんを飼っておられるそうですが、猫ちゃんは先生の奥様をいつも背後から音もなく襲うそうです。
事前にクラッキングしてくれれば、襲われる側も準備ができるのに、と思います。
クラッキングがイエネコの特徴だというならば、戦の前には「我こそはミーコなり、腕に覚えの者よ、手合わせ願う」とか、武士道精神に沿って正々堂々と戦おうじゃありませんか。