猫目石、という名前的にも魅惑的な宝石があります。
キャッツアイ、というのは三姉妹が出てくるアレではなく、この猫目石を英語でいうのでもなく、宝石が光の効果で猫の目の色のように光る、この効果のことを「キャッツアイ効果」
と呼ぶのだそうです。
目次
猫の視力・色の見え方
外国人の瞳の色を見ていると、本当に同じ色が見えているのだろうか、と不思議な気持ちになることがあります。
猫の目を見ていても同じ気持ちになりますが、猫の目に見えている景色というのはどんなものなのでしょうか。
猫の視力は人間の10分の1
優れた狩人でもある猫の視力は、実は人間の10分の1程度だと言われています。
特に近くの物を見るのが苦手で、25センチ以上近づけるとピントを合わせることができないとか。
確かに、おやつを欲しがる猫の鼻面におやつを差し出しても気づかないことがあります。
その代わり動体視力にはたいへん優れており、テレビ画面なんかは猫の目にはコマ送りに見えているなんてよく言われていますね。
見えている視野も人間よりも広く、250°ほどですので後ろからそっと気づかれないように近づくのはなかなか難しそうです。
猫は色を見分けるのが苦手?
もともと夜行性の猫は、暗闇で獲物を狩る生活をしてきました。
そのため人間のように細かい色を見分ける必要はなく、青や黄緑がちの景色が彼らには見えていると考えられています。
近年の研究では犬や猫には紫外線が見えている、という結果が出ていますので、今後また違う答えが出てくるかもしれません。
猫の目の色の種類
これはメラニン色素の量で決まります。
子猫のときは「キトン・ブルー」と呼ばれる青い色をしていますが、成長するにつれて親からもらった遺伝的要素で決まった色素が定着してそれぞれの目の色に変わっていきます。
猫の目の色は大きく5種類に分かれます。
メラニン色素の少ない順にご紹介します。
猫の目の色 ブルー
メラニン色素が一番少ないタイプです。
ニンゲンと同じで、メラニン色素が多いと黒に近くなり、少ないとブルーになります。
白っぽい猫に多いですね。
猫の目の色 グリーン
二番目にメラニン色素が少ないタイプです。
洋猫に多く、日本猫にはグリーンの瞳は出ないと言われます。
なので外で出会う見知らぬ猫ちゃんにボブテイルなのに目がグリーン、なんて子がいたりしてその出自に思いを馳せるのも楽しいですね。
猫の目の色 ヘーゼル
中心部がグリーンで、外側へブラウンのグラデーションに見える美しい目の色で、一言で何色、と表現するのが難しい色です。
メラニン色素は中程度。
猫の目の色 アンバー
アンバーとは琥珀のことです。
ヘーゼルとの見分けは、ヘーゼルに見られるグラデがなく、黄色っぽい単色に見える目の色です。
メラニン色素やや多め。
猫の目の色 カッパー
カッパーとは銅のことで、真っ黒ではなく濃い茶色、銅色の目の色です。
メラニン色素が一番多いタイプですが、日本人の目の色よりは薄い色になります。
猫の目の色 オッドアイ
左右の目の色が違うタイプです。
たいていがブルーと他の色との組み合わせになります。
レアだし見た目も美しいので珍重されますが、青い目の方の耳に聴覚障害が出ることが多いとか。
猫の目の色 赤(アルビノ)
アルビノは突然変異で色素を持たないので、血管の色そのままの赤い目になります。
ウサギでも猫でもヘビでもそうです。
猫のスタンダードでのアイカラーとコートカラー
スタンダードとは、猫種別に定められた純血種の「あるべき姿」の理想的な条件です。
キャットショーではこのスタンダードにどれだけ近いかを競うわけです。
猫種によっては、コートカラー(毛の色)とアイカラー(目の色)との組み合わせが規定されていたりします。
例えば、アメリカンショートヘアでは、シルバータビーの毛色の猫の場合はグリーンの目色が理想とされていますが、レッドタビーではゴールドが理想とされています。
ショーキャットでなければ気にする必要はありませんが、純血種の飼い主さんは、わが子の「スタンダード」を見てみるのも面白いですよ。
猫の目はなぜ光る?
猫の目には「タペタム層」と呼ばれる細胞の層が瞬膜の裏にあり、光を反射させて視神経に伝えています。
このタペタム層のおかげで、猫は人間の6分の1ほどの光で物を識別することができるのです。
それは光に対する感受性が強いということですので、カメラのフラッシュの光など人間よりも強いダメージを猫に与えてしまうということです。
猫の写真を撮るときはフラッシュはオフにしてあげましょう。
動物園にいるネコ科動物もフラッシュをたいて撮影しないであげてくださいね。
そもそも、フラッシュをたくと目が光ってしまってかわいく撮れませんものね。
猫の目。
猫それぞれで色は違うし、毛色と併せて全く同じ猫ちゃんはこの世に二匹といません。
その構造は猫独特の進化で作られたもので、ヒトとも犬とも違っています。
昼の猫と夜の猫は瞳の大きさの違いから別の猫じゃないかと思うほど違う顔を見せてくれます。
美しく不思議な猫の瞳は我々を魅了し続けるのです。