うちの猫は狂暴です。
どれくらい狂暴かっていうと、かかりつけの動物病院にうちの猫以外にはほとんど使用していないという鷹匠が使うような革手袋があるくらいです。
わたしはAHTの免許を持っているくせに、自分ちの猫の爪を切れません。
命に関わるからです。わたしの。
動物病院で手当てを受けた飼い主
よくある笑い話で、動物病院に連れてったワンちゃんや猫ちゃんが大暴れして、負傷した飼い主さんが手当されたっていうアレ、わたしもされたことあります。
革手袋をして保定していたにも関わらず、革手袋越しにしこたま噛まれ出血、獣医師に消毒と絆創膏はってもらいました。
うちの猫は顔が癒し系なので病院のトリマーさんとか「可愛いねぇ」とかいって目を細めていますが、手伝ってくれません。
お前がやれ、などと言えません。
レントゲン室から「いて!」という声が聞こえてきたこともありますが、レントゲン室は先生の聖域ですので、私は同席しませんが、本当に申し訳なく思います。にやり。
狂暴な猫のために私がやったこと
色々試してはみました。
シーザー・ミラン方式に「シ!」とやる。
ムツゴロウ方式に噛まれたら噛み返す。
ノーリアクションで完全無視する。
どれも変化なし。
思えばうちの猫は生後半年を過ぎてまだペットショップのガラスケースに閉じ込められていた売れ残り(本人の前では禁句です)。
幼少期をそのように過ごした猫を軌道修正するのは難しいでしょう。
やはり母猫や兄弟猫に、ちょっと強くかみついて、「何すんだコンニャロ」って教育的指導を食らわないで育つと、加減というものがわからないのでしょう。
わたしはコンパニオンドッグトレーナーという資格も一応持っていますが、会社でダメ社員と仕事するときくらいしか役に立ちません。
リストカットは自傷じゃなくて猫傷ですから
数年前はわたしの両腕は傷だらけ、それこそ獣医さんだってそれほど汚い手をした人はいないくらい。
ためらい傷だらけの腕みたいでよそ様にはどのように思われていたことか。
平気で半袖着て外出してましたが。
親しい友人に「腕の傷、気になっていたけど怖くて聞けなかった」と冗談交じりに言われましたが、聞いてくれよ冷たいなぁ。
それでも最近じゃ8歳になりだいぶ穏やかになったのか、それとも飼い主の方が猫のキレるタイミングを熟知したのか、あまり噛みつかれることもなくなってきて、わたしの腕もきれいなもんでした。
プランク中に襲ってくる狂暴猫
プランクという腕立て伏せみたいな恰好で数分間キープする体幹トレーニングがあります。
続けやすいのでわたしでも結構続いています。
テレビを見ながらブルブルと耐えています。
これでお腹と腰回りと尻足の境目と太ももとふくらはぎのお肉が締まってついでに宝くじが当たるといいなぁ!
夕べもいつものようにテレビを見ながらプランクしていたら、猫がすり寄ってきました。
可愛いヤツだなぁ、なんて思いながらブルブルと耐えていたら、突然ガブリと噛みつかれました。
プランク中に手首に噛みつかれたら逃げられないってば!
またリストカッター風恥ずかしい日々の始まりです。
夏はよしとくれよ。
私にだけ狂暴な猫
噛まれるのはわたしばかりです。
旦那や旅行中面倒を見てくれている母は「かまなくなって本当にいい子」なんて言ってます。
噛まれた!と騒いで傷を見せると、「どうせあんたがしつこくしたんでしょ」てのが毎度です。
たしかにわたしはしつこいかもしれません。
だってかわいいから、抱っこしてちゅっちゅしたいんです。
愛でるだけではなく、耳掃除は嫌がって逃げようとするのを抑え込んで完遂させるわ、
爪切りやワクチン、尿検査等で動物病院へ連れ出すのもわたしの仕事です。
恨まれても仕方あるまい。
しかし今度は違います。
なんせプランク中に突然襲われたのですから。
甘えているんだ、とわたしは思っています。
一番一緒に過ごす時間が長くて、甘えているから噛みつくんだと。
東京へ出かけたりすると腕にすごい傷のある人を見かけたりします。
ジロジロ見たりしませんが、なんともいえない気分になります。
だけどその人ももしかすると自分でやったんじゃなくて狂暴な猫と暮らしている人なのかもしれません。