アシナガバチの巣を駆除せず共存してみた

我が家のセリに来るアゲハチョウの幼虫ちゃんたちを連れ去るアシナガバチ。今年は我が家のベランダの片隅に巣を作りました。ちょっと怖いけど、庭木のシマトネリコに来るスズメガの幼虫を獲ってくれるので共存してみることにしました。

アシナガバチの巣の場所

3F建ての我が家、3Fのベランダは屋根がないので、おもな使い道は布団干し。洗濯物や植木はないので、それほど通行量はありません。そこへアシナガバチの登場です。家主に何の許可もなしに巣作りです。

下の写真は6月に撮影しました。撮影したタイミングで色々と調べてみたところ、アシナガバチの巣のはじまりは、女王バチが一匹でスタートするそうです。

そして、作りかけの巣が全て完成するわけではなく、途中で女王バチがツバメとか天敵に食べられちゃったり殺虫剤かけられちゃったりして中断してそのまま廃棄されることが多いんだそう。なんかかわいそう。

アシナガバチの巣①園芸用支柱

アシナガバチ ベランダ

アシナガバチの巣 その1

巣その1は園芸用の支柱という非常に不安定な場所に作られたにも関わらず、順調に増築を重ね、住人はどんどん増え、立派な蓮の実のような巣になりました。写真、こわくて撮ってません(きっぱり)。

ただ、へっぴり腰になりながら、活動がトロくなりそうな夕暮れ、肉眼で確認しました。この支柱の巣その1はベランダの隅っこなので邪魔にならないし、近所の人が通る場所とも距離があるので、このままここで過ごしてもらうことにしました。

アシナガバチの巣②エアコン配管

アシナガバチ ベランダ

アシナガバチの巣 その2

こちらはエアコン配管ハウスは施工主に見捨てられ、大きくなることはありませんでした。過去に友人の家でこのサイズの小さい巣を撤去したことがあります。

こわいこわいとギャーギャーいいながら撤去したのですが、季節は真冬。そんな時季に住人はがいるはずありません。石ころ相手にギャーギャーいっているようなもので、ちょっと恥ずかしい思い出です。(つい最近だけど)

アシナガバチの巣のある日常

アシナガバチは大人しいというけれど、あのフォルムはどうしても恐怖心をあおります。あいにく時はメダカの産卵期。毎日2Fベランダでメダカの鉢とにらめっこしている人間がいます(私)。

夏になり、気温が上昇するとアシナガバチがこのメダカの鉢のアマゾンフロックピットにとまり、水を飲みに来る習慣ができました。アシナガバチは巣にお水を持ち帰り、温度上昇を防いでいるといいます。

酷暑に対抗する虫の行動、素晴らしい。でもメダカを眺めているところに突然黄色と黒の危険カラーのアシナガバチが登場すると、反射的に体が動いちゃいます。登山中にスズメバチに止まられて、じっと耐えたという人もいますがすごい心臓の持ち主だと思います。

数か月の同居生活で何とか慣れてきましたが、本当に怖かった。でも一心に水を飲んでいる姿はかわいくもみえてきました。

アシナガバチの害虫駆除能力

アシナガバチに営巣許可を与えた今年、例年より明らかにスズメガの被害は少なくなっています。この夏はオルトランを1回も散布していません!

スズメガの幼虫とアゲハチョウの幼虫を区別しろ、とアシナガバチに言うのも無理な話で、アゲハチョウの幼虫も当然ながらみませんが。

大きなカマキリはいますので、カマキリはアシナガバチにはやられないのでしょうか。ちなみに、カマキリはメダカを食べちゃうこともあるということですが、毎日アマフロにとまって水を飲んでいるアシナガバチはメダカは興味なさそうですよ。

アシナガバチはおとなしい

では、人間との共存はどうなのか。私は野山を駆け回って育ったので、ヒルやクラゲにやられたことはありますがハチは未経験。

よくいわれる洗濯物に潜んで、とか、外に置いていある履物の中に、とか、そういうのは避けたいので洗濯物も履物も「さわるよ!いるならどいてよ!」という雰囲気でバンバンしてからさわるようにしています。

アシナガバチは、巣がある以上、1mない距離に接近することもままありますが、全然襲ってこない。

アシナガバチは虫を好んで食べるから花の匂いに反応するかはわかりませんが、洗剤と柔軟剤を普通に使用した服を着ていても襲われたことはまだありません。

一度、プランターに植えたシソの葉を収穫しようとしたら、なぜかシソの葉の上でボケーっとしているアシナガバチが。

休んでるのかな、生きてるとそんな時もあるよね、と30分後にもう一度見ると、まだボケーっとしていましたので、シソを使うのはあきらめ、翌日スーパーで購入しました。何やってんだか。

巣の近くには水栓があって、水やりに使いたいのですが、これは本当に巣のすぐ近くなので(1mくらい?)夜になってから使うようにしています。どうせ昼間に水やりしてもお湯になって植物の根っこに悪そうだしちょうどいいということで・・・。

アシナガバチの住宅への侵入

完全に私のミスですが、ステイホーム期間でほったらかしだった多肉植物を植え替えるので、掃き出し窓を開けっぱなしで外で作業していたら、知らない間にアシナガバチが家の中に入っていました。

隠れられる場所はたくさんあるというのに、「ここにいるよ~!!」とでもいうかのように白い壁にとまっていてすぐ発見。余談ですが、アシナガバチは近づくと振り向いてすっごくこっちを見ます。

アシナガバチ 巣

当然ながら写真を撮る余裕はないので、ペイントで描きました。どうみてもアリです。
本当にこんな感じでギロリとこっち見るんです。こわい・・・

いやしかしどうしたら?私まだ1回も刺されたことないから、最悪刺されてもまだあと1回チャンスある?いや関係ないとも聞いたことあるし。

とりあえず、40度近い暑さの中、タンクトップ&短パンというスタイルからジーパンと雨合羽にゴム手というスタイルに変身。目も怖いからスキーゴーグル装着で。虫捕り網なんてないので、メダカ用のちっちゃい網を右手(利き手)、左手にゴキジェット。

殺生は極力したくないけれど、自分がやられるとなるとかわいそうだけど最悪ゴメンナサイするしか・・・と思い詰めつつ。結果、あっけないほど簡単にメダカ用網に入り、ブーンと暴れるわけでもなく屋外へ退場していただけました。

メダカ網の中で暴れるでもなく、クワガタくらいののんびりした様子でした。Gの方がよっぽど暴れるね。はやまってゴキジェット噴射しなくて本当によかったです。

アシナガバチと共存するコツ

まだ9月まではアシナガバチの子育て期間が続きますので、無事に共存生活を乗り切ったわけではないのですが、ここまでの生活でわかったことは、

  • 洗濯物やサンダルなどはさわる前にバンバンする
  • 巣には近づかない。どうしても用があるときは夜
  • 窓を開けっぱなしにしない

これだけ気をつけていれば共存できるかも。でも刺されるとかなり痛い目にあうらしいので気をつけましょう!

今年は台風がまだ来ないのでラッキーなのでしょう、なんせ彼らのお家は園芸用支柱という非常に不安定な場所にあるのです。無事巣を去っていくまでに多分台風ゼロというわけにはいかないだろうけど、巣の補強とか移動とかはさすがにするつもりはありませんので自分達で何とか頑張ってほしい。

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