ヤスデもスイミーだった!集団で小海線を運休にしたちいさなかしこいむしのはなし

スイミーという絵本を知っていますか?

小さな魚が集団で身を寄せ合って助け合い、
大きな魚に食べられないようにして生きていくお話です。
(ざっくり)

スイミーはお魚だけの話じゃないみたいです。

ヤスデという虫をご存知でしょうか。

私たちの身近にいる虫です。
私はこの虫の小さなピンク色の個体が
何匹か一緒に行動しているのを見たことがあります。

ヤスデの冤罪

ややこしい動物シリーズでは取り上げませんでした。
ムカデとヤスデはパッと見似ています。

ヤスデもスイミーだった!集団で小海線を運休にしたちいさなかしこいむしのはなし

でもヤスデには毒のある顎はありませんし、
ムカデのように攻撃的に咬みつくことはありません。

しかも「害虫」と言われてしまいますが、
「不快害虫」という不名誉な害虫認定です。
見た目が気持ち悪い、悪臭を出すというのが
理由だそうです。

この悪臭、ヤスデを容器に密閉しておくと
自分自身の臭液で死んでしまうこともあるんだとか。

小海線、ヤスデで運休

1976年、小海線がヤスデによって止められました。

キシャヤスデと呼ばれるヤスデの大量発生で、
レール上で轢かれたヤスデで滑ってしまい、
急こう配の小海線では列車が走れなくなってしまったのです。

このキシャヤスデ、日本各地でしばしば大量発生しています。
だいたい8年周期みたいですが、例外もあるとのこと。

電車を止めるほどの大量発生、ヤスデの集団行動と
関係しているのでしょうか。

一説によるとこのキシャヤスデの8年に一度の大量発生、
集団お見合いなんだそうです。

前回の大量発生時に誕生した子ヤスデが成熟するのが
だいたい8年らしいですよ。

ヤスデの子供の集団行動

ヤスデの子供は外敵から身を守るために群れて行動します。

子ヤスデの体は柔らかく、捕食者からみたら
とてもいい獲物でしょう。
単独行動をしていたら、あっというまに誰かの餌食に。
でも、たくさんの兄弟姉妹と集団行動していれば
生き残る確率はぐっと上がります。

世界中に生息するヤスデの仲間には、いくつかの種類で
恋のシーズンだけでなく、狩りのとき、幼少時代、
群れを作るものがいるそうですよ。

動く歩道をつくるヤスデ軍団

ヤスデが集団で移動するとき、
上下に2、3匹が重なって移動するそうです。
下にいるヤスデも動くので、さながら動く歩道ですね。

こんな状態のときに天敵のアリと出会っても、
アリはすごすごと退散するしかありません。
交通量の多い道路を横断できませんものね。

卵から孵ったヤスデたちはそのまま共に行動するそうです。
小さいものたちの知恵です。

もっと強い天敵に出会ったら次の作戦だ!

ヤスデ軍団がアリよりも強い天敵に出会ったらどうするのか?
彼らはもうひとつの手段を持っています。

散り散りになって逃げる!

こりゃもうどうしたらいいのかわかりません。
臨機応変に対応できる能力が素晴らしいですね。

散り散りになった後は、再び集結するそうですよ。

ヤスデもスイミーだった!集団で小海線を運休にしたちいさなかしこいむしのはなし

ヤスデの多くの種は森に住み、分解者としての役割を担っています。
害虫なんて、とんでもない!

小さなヤスデの赤ちゃんはスイミーと一緒、
「ちいさなかしこいむし」です。

ほら、愛しく思えてきませんか?

※なお、この記事の画像は小さめにしておきます

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