アルダブラゾウガメの脱走

岡山県玉野市の渋川動物公園で
飼育されている「アブー」が脱走しました。
アブーは推定30歳ほどの雌のアルダブラゾウガメで、
入園ゲートからのそのそと脱走する様子が
防犯カメラにばっちり写っていました。

30歳というとベテラン臭がしますが、
アルダブラゾウガメ界ではまだまだひよっこでして、
平均寿命は100年。

飼育下で、
ちゃんとした記録が残っている中では
152年生きた記録があるそうです。

亜種に至っては、
セーシェルゾウガメの「ジョナサン」は
2016年時点で推定184歳だそうです。
カモメのジョナサンではありません、
カメのジョナサンです。
江戸時代から生きていることになります。
天保の大飢饉の頃に生まれ、
黒船来航のときも明治維新のときも
海の向こうでジョナサンは生きていたのですね。
メンテルスゾーンも歌川広重も現役だったし、
ブラームスなんぞタメです。すごい!

リクガメ

リクガメは長生き

ペットショップの罪

リクガメはペットショップで手に入りやすいし、
草食性が強いので、
他の爬虫類のように
冷凍庫を冷凍マウスでいっぱいにしてみたり、
コオロギを繁殖させてみたり、
ミルワームにゾワーっとしてみたりしなくても済み、
飼いやすい爬虫類かもしれません。

が!

この寿命の長さ、それに巨大化、
気軽にその辺のお店で販売するべきものではないと思います。
幸い動物園に出向けば、
後の心配などせずにゆっくり生体を観察することができます。

アルダブラゾウガメが脱走するのは2度目

アブーはまだまだ若いアルダブラゾウガメです。
アルダブラゾウガメは直射日光を嫌い、
食事のときも太陽にお尻を向けて食べるそうです。
野性の環境では熱中症で亡くなることが多いとか。
心配ですね。

動物を扱う施設として、
動物を逃がすというのは一番あってはならないことです。

しかもこの動物園、アブーが逃げ出すのは2度目で、
1度目はまだ1か月も経っていない7月21日とのこと。

今回の脱走も、
防犯カメラに逃げ出す様子が映っているのは8:45なのに、
いなくなったことに気づいたのが11:30って
遅すぎないか?

まぁ園内で放し飼いにされていたみたいだし、
カメさんなので一秒一刻
見張っているわけではないのはわかるのですが。
入園ゲートをもっとややこしくした方がいいんじゃないでしょうか。

脱走は最悪の事態

動物病院や牧場など、
治療が嫌で逃げ出したくてたまらないワンニャンや、
脱走することが趣味なヤギ(実話)
がいるような場所では二重の扉になっている施設が多いと思います。

ちゃんとしたところは
内扉と外扉を同時に開放しないように
徹底しています。

ペットを飼育しているお宅でも
二重扉とまではいかずとも、
ドアの開閉は慎重になるべきです。

ドアの隙間から脱走して
自動車事故で命を落とす犬猫は結構多いです。

時には予期せぬ動きをするのが動物です。

今回脱走したアルダブラゾウガメは
人間に対して危害を加えないタイプの動物ですが、
そうではない場合、
安楽死になることも最悪の場合あります。

安楽死といいますが人間に都合がいい呼び方で、
ただの殺しですがな。

逃げたシマウマを麻酔銃で保護しようとしていたところ、
逃げ込んだ池の中で麻酔が効いてしまい、
結果的に水死させてしまった
悲しい事故も記憶に新しい。

アルダブラゾウガメを襲うような肉食動物は
本州にはいません。
北海道のヒグマでも無理かもしれないけれど、
カラスが集団で襲ったら?
一番危険なのは自動車でしょうか。

7月の脱走時には、動物園から200メートル離れた
市道で発見されたそうです。

台風シーズンですし、
飼育されていた施設のように
環境も適正に保たれません。

今は草を食べて生き延びられたとしても、
アブーが日本で冬を越すことはできません。

飼育員の方々はプロなので、
彼女がいそうな場所もわかりそうなものですが、
早く見つけて保護してやってほしいものです。

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