5月2日、ゴールデンウィーク真っ盛り、9連休の人も連休の合間の人も9連勤の人も記憶に新しい、絶景かな絶景かな、京都南禅寺の異臭騒ぎ。
24人もの方が体調を崩したというこの事件、同じ日に京都市から委託された業者が近隣でイノシシ避けのスプレーを散布していたことが原因だった模様。
せっかくのお休み、せっかくの南禅寺、巻き込まれた方かわいそう。
今回はやり方が適切ではなかったとして、指導が入ったそうですが、本来はイノシシ害から人々の暮らしや観光客、施設や文化財を守るのに欠かせない作業なのでしょう。
そもそもイノシシ避けのスプレーってどんなものなのでしょうか?
目次
イノシシ他獣害防止の忌避剤は唐辛子?山火事?
私は横浜の住宅街に住んでいますので、害獣対策というものはあまり縁がなく、強いて言えば近所の野良猫がうちの車庫でウンをしていくのを何とか防ぐべく、トゲトゲシートを買ったりして対策したくらいでした。
しかし最近では近所でもハクビシンやタヌキ、アライグマが登場し、南の方からイノシシも迫ってきている模様。
人と獣との境界線がどんどん薄くなってしまっています。
人間が悪いんだけど。
忌避剤「スカンク」の主成分はスカンクでなく唐辛子カプサイシン
スカンクという名のスプレー。
最初スカンク成分配合なのかとテンション上がったのですが、主成分は唐辛子のカプサイシン。
私も調理中、唐辛子を刻んだ手でちょっと目をこすったらもう大変、七転八倒したことがありますので、効き目は抜群、近隣で大量に噴霧されたら人間もたまったもんじゃないですね。
熱いお鍋とか普通に触れるベテラン主婦とかいますが、あれは慣れなのでしょうが、
唐辛子でヒリヒリしないとか、タマネギで泣かないとか、ああいうのも慣れるのでしょうか?
慣れるんだとしたら、動物も慣れる可能性があるってことですか?
動物に山火事だ!と思わせる忌避剤
唐辛子タイプは屋内では絶対に使用できませんし、開封するのも屋外が鉄則ですが、こちらの山火事タイプは屋内での使用もできるようです。
設置するタイプの忌避剤で、山火事の匂いがするんですって!
成分の木酢液、うちにもありますが(なんで買ったんだっけ)確かに山火事のにおいがします!
山火事にあったことないですけどね!
パッケージのおじさまの顔がいい味出してますし、生まれたての生き物には効きませんとか注意書きがあって興味深いです。
いい年の生物でも、山火事経験ゼロの動物たちって多いと思うのですが、山火事の怖さがわかるのでしょうか。
本能だというなら、生まれたてでも効くんじゃないの?とか色々疑問はあります。
ちなみにこれ、虫も来なくなっちゃうので、虫によって受粉するタイプの作物の近くでは使えませんので要注意ですよ。
そうでした、ナスやピーマンを私よりも先に食べちゃうアブラムシ対策で我が家には木酢液があるんでした。
スタンダードな蚊取り線香タイプの害獣防止策
蚊取り線香タイプもありますよ。
畑やお家の周辺に設置するにはいいかもしれません。
以前登山中、ピストル持った男性と出会ったことがありますが、話を聞くとツキノワグマに遭遇した経験からピストル手放せなくなっちゃったんだって。
勿論オモチャのやつだけど、パーンって結構な音がするし、見た目ギョッとします。
ヘッドライトつけて手にピストル持った男性と明け方に出くわしたら、もう都市伝説誕生の予感しかしません。
そんな人のためにも、携帯ケースあるしこれいいじゃん!と思いきや、成分が強すぎるのか、携帯はしないでくださいだって。
携帯する場合は中の線香を虫よけタイプに替えてご使用くださいとのこと。
蚊取り線香の匂いもクマは嫌うと聞いたことがあります。
あんまりあの匂いを好む動物もいないかもしれませんが私は好き、というよりはちょっと安心感がある匂いだと思います。
夏の匂い、といったところでしょうか、この線香はそんなこといってられないくらい強力なようですが。
忌避一番ハバネロも生物の本能には勝てないらしい
一番辛いやつ、ハバネロタイプです。
天然成分天然成分って天然成分信者や植物成分信者って結構いますけど、タバコもトリカブトも天然植物ですよねぇ。
んでこのハバネロタイプは撒くだけで獣が来ないらしいですけど、辛いの苦手な人でも、近くで農作業する分には大丈夫なのでしょうか。
これ、お腹が空いていたり発情していたりする動物には効かないことがあるそうです。
本能はハバネロにも勝るということですね。
なんかすごく納得。
薬剤や刺激性のものを使わないナチュラルで優しい忌避剤
一番環境にローインパクトなのがこちら。
精神的にはかなりのインパクト。
異臭騒ぎを起こしたくない場合、こんなもので平和的解決を目指してはいかがでしょうか。
長く愛用されてきたいわゆる案山子さんの一種ですね!
両耳の磁石からは磁力でもって獣に訴えるそうです。
しかし何故裸なのか。
イノシシは青い色を嫌うそうですので、青くペイントするか、サッカー日本代表のユニフォームでも着せたらいかがでしょうか。
獣同様、慣れるまでは人間の方も見るたびにドキっとしちゃいそうで、心臓には優しくなさそうですがどうでしょう。
鉄道会社、シカ対策で線路にライオンの糞を撒く
数年前、鉄道会社が線路にライオンの糞を撒いたことがありました。
鹿と列車との衝突事故が絶えず、頭を悩ませていたJR西日本、シカが恐れるであろうライオンの糞を線路に散布する、という対策を取りました。
多少効果はあったようですが、想定していたほどの効き目はなく、沿線住民からは「臭い」と苦情がくる始末。
そりゃそうですよね、肉食獣の糞って相当臭いですよね。
猫もあんなにかわいい顔してすんごい臭いウンしますもんね。
そもそも鹿は何しに線路に来るのか?
錆びた線路の鉄分を摂取しにくるのでは、と考え、シカの好む鉄分とミネラルを固めた誘鹿材を周囲に設置したところ、シカはそちらに集まったとか。
鉄道会社の場合、線路に鉄分を補給しにくる動物に対して他の方法で鉄分を与えてやる、という方法もとれますが、畑を荒らされて困っている場合、他におとり畑を作る、というのは大変そうです。
誰でも購入できる忌避剤は猛獣の排せつ物
臭いの問題さえクリアできれば効き目は期待できそうな猛獣の排せつ物。
誰でも購入できます。
ウルフピーは灰色オオカミのおしっこです。
ピーというとお腹こわしてピーピー的イメージがありますがおしっこのことです。
猫には効くようですが、サルはすぐにオオカミがいないことを認識するとか、飼っている犬が大興奮するとか、色々ある灰色オオカミのおしっこです。
開封後は冷暗所に保管してくれ、とのことですが、冷蔵庫には入れたくないですね。
他にも、ピューマやキツネのピーも販売されています。
オオカミやピューマを飼っている人は、こういう副業もありかもしれません。
高速道路で轢かれている動物を見ると本当にかわいそうでなりません。
侵入できないような構造にしてほしいのはもちろんですが、無理な場所にはこんなのを定期的に散布してほしいです。してるのかな。
できれば一般道にも対策してほしいです。
一番の獣害対策はヒトと動物の境界線を示すこと?
在来の野生動物の住処を侵略したのは人間だし、外来生物を持ち込んだのも人間だし、もともと野生種など存在しない猫も人間が作ったものだし。
人間の知能が他の生物よりも優れているなら、知恵や手間、お金を使って解決するのは人間の仕事かもしれません。
南禅寺の異臭騒ぎは、巻き込まれた人は大変ですが原因がわかって一安心です。
人と獣の住み分けが難しくなってきたこの頃、これから人口が減ってどうなっていくのかわかりませんが、はっきりとした境界線を示してやるのは知恵や知識知能のある側の人間の義務なのかな、とも思います。