海洋研究開発機構とNHKが、地球上で最も深い、マリアナ海溝水深8000mでスネイルフィッシュという魚の撮影に成功したそうです。
NHKの深海シリーズはとても面白く、毎回拝見していますが、これももうすぐ放送になるのでしょう。
自分の暮らしている世界の8キロ下に地面があるのかと思うと怖くなってきます。
わたしは高所恐怖症なのですが、透明度の高い海で泳いでいて、水深が5mとかなるともうちょっと恐怖です。
エベレストの標高は8848メートルですので、わたしの世界の8キロ上にも地面があることになります。
どうしよう。
それにしても水深8000mの世界、どんな世界なのでしょう。
水深8000メートルはどんな環境?
水深8000メートルでは、1平方センチあたり800kgの水圧がかかると言われています。
800kg、あまりピンときませんが、
ナイルワニ
ホッキョクグマ
ヘラジカ
あたりの体重がだいたい800kgです。
お相撲さんでいうとだいたい3人とちょっと?
そう考えるとホッキョクグマすごい!
ていうか水圧超ヤバイ。
水圧もヤバイですが、太陽光が届かないので暗闇の世界です。
真っ暗闇でホッキョクグマが大勢のしかかってきていると考えてください。
とても厳しい世界なのがわかります。
水温は2度くらいはあるそうですので、それほど冷たいわけではないみたいですが。
撮影されたマリアナスネイルフィッシュ
今回マリアナ海溝で撮影されたマリアナスネイルフィッシュですが、白くてウーパールーパー的でかわいかったです。
深海魚というといかついのを想像してしまいますが、真っ白なお肌、しかもなんか粘膜でおおわれていそうなぬるっとした質感のしっとりお肌、光の届かない暗闇で退化したかもしれないつぶらな瞳。
カサゴ科だそうで、泳いでいる姿はまさにふにゃふにゃしたカサゴですが、長い尾びれをゆらゆらとたなびかせ、カサゴのように胸びれも長いものですから、水中を漂う天女のようでした。
あれっ天女って空を飛ぶんだっけ。
とにかく優美な姿にうっとりします。
スネイルフィッシュって何なのさ
アクアリストには耳慣れた言葉のスネール。
水草にくっついていつの間に水槽に入り込み、あっという間に繁殖する憎いアイツ、そう、小さな貝です。
そしてスネールが大量発生してしまうと見た目に悪いので、ヒトは「スネールイーター」と呼ばれる、この小さな貝を好んで捕食する熱帯魚を投入するわけです。
スネールイーターといえば、わたしが思いつくのはあのかわいい小さなフグ、アベニーパファーでしょうか。
飼ったことがないのですが、熱帯魚屋さんではいつもかわいいなぁと眺めていましたが、
淡水フグは混泳が難しいイメージがあって、飼育したことはありません。
スネールイーターとは文字通りスネールを食べる魚のことですが、スネイルフィッシュというのはそのまんま貝のような魚、といった感じでしょうか。
あの「ヌルッ」とした感じから命名されたのでしょうか。
ヌルっとしてるからeel fishでもいいじゃないか、と思いますがeelも魚だからおかしなことになってしまいますね。
「snail」には不精者、のらくら者、といった意味もあるみたいですが、そっちだとしたら
失礼なネーミングですね。
「ナマケモノ」もどうかと思います。
生物が生息できる限界ギリギリの世界に生きる魚たち。
私は貝になりたい、という名作がありますが、わたしは深海魚には絶対なりたくないなぁ。
それでもきっと住めば都、長い進化の時間を経て、深海に適応したのですから、マリアナスネイルフィッシュにしてみれば8キロ上で暮らす我々はエベレストの頂上に生きる何かと
同じくらい珍妙に思えるかもしれません。
エベレストの頂上に生きる何かってなんだ?
深海ザメ、メガマウスはいかがですか?