山梨県笛吹市で68歳の男性がツキノワグマと戦って生還しました。
この男性、空手道場の館長さんで空手八段だそうです。
クマが腕を振り下ろしてきたところを、男性は頭上でクロスさせた腕で受け止め、蹴りと突きで撃退したとか。
どこかで聞いたことがあるような話だな、と思っていたら、2016年にも群馬県長野原町で63歳の男性がツキノワグマの目を突いて撃退していました。
この方も空手家でした。
日本には大山倍達(素手で猛牛を倒したという伝説の空手家)がたくさんいるんですね。
クマの先制攻撃をかわしてこちらから攻撃をしかけるなんざ、空手家にしか無理ですね。
空手家でもふつう無理ですわ。
これツキノワグマの話ですからね。
北海道に生息しているヒグマは強さのレベルが全然違うので空手家だろうがお相撲さんだろうが勝てません。
それにしても、実際にはどのように格闘したのでしょうか。
目次
クマを撃退した空手おじさん@笛吹
わさび田のフェンスを補修していたところ、振り返ると体長160cmくらいのツキノワグマが仁王立ち。
おじさんの身長168cm。
おじさんの方が高いけど、ツキノワグマの体長には足の長さが入っていないので立ち上がるとおじさんよりでっかいはず。
仁王立ちのツキノワグマが爪を振り下ろして先制攻撃、おじさん、十字受けからの空いた腹部に蹴りを入れて顔面に突き!突き!頭を垂れたところへ膝蹴り!
腹がフリーだったのを「サンドバッグだと思って」、最後の膝蹴りを「これが効いたと思う」との強気発言。
対生き物だとこの「強気」が非常に重要です。
十字受けした際にツキノワグマの爪が当たって軽いけがをされたそうですが。
なんだかクマがかわいそうになってきました。
クマを撃退した空手おじさん@長野原
渓流釣りをしていたところ、5mほど先に体長190cmのツキノワグマ登場。
おじさんの身長170cm。
目が合った瞬間飛び掛かってきたので咬まれながらもおじさん応戦、最終的にはクマの目を突いて撃退。
入院2~3週間。
こちらの方が重症ですね。
クマの個体も大きいです。
「クマすごい強い」
「ぬいぐるみみたいに耳が真ん丸だった」
と冷静な観察眼の持ち主であります。
目を突かれたクマは大丈夫だったのでしょうか。
心配です。
ツキノワグマに襲われがちな行動は?
- 渓流釣り
- 山菜、キノコ取り
二大ツキノワグマ遭遇フラグです。
いずれも何らかの作業中、何かに集中していて気が付くとツキノワグマがいた、という状況。
熱中すると危ないですよ。
私は潮干狩り中に家族とはぐれ、迷子放送のお世話になったことをいまだに恥じております。
人口が多い割に登山客は意外と遭遇していません。
登山客は歩くのがメインなので、登山道の周辺を常に注意深く観察しており、遠くの黒い岩をクマだと勘違いしてビビったりしております。
はい、わたしのことです。
登山者は登山道を一方方向に歩いていくけれど、山菜やキノコを採る場合、あっち行ったりこっち行ったり、トリッキーな動きをするのでしょうね。
突然出会ってしまうとお互いビックリして、クマは捨て身の攻撃に出ます。
不幸な出会いは避けたいものですね。
治療より予防、で登山道での熊鈴の是非
離れた場所でツキノワグマにこちらを認識してもらえれば、基本あちらは逃げていきます。
気付いてもらうのに一番メジャーな方法は、クマ鈴です。
山でクマよけの鈴を鳴らしていると、クマはその音を聞いてそっと身を潜め、怖いニンゲンが通り過ぎるのをじっと待っています。
この熊鈴は、プ〇さんみたいな顔の部分がねじになっていて、締めると音が鳴り、緩めると音が鳴らなくなります。
登山者の中には山の静けさを楽しみに歩いている方もいるので、クマ鈴の音がうるさいと感じることもあるようです。
駅や駐車場などの移動途中ではもちろん、山中でも人が行列して歩いている登山道なんかでは、音を鳴らさない気配りが必要で、クマ鈴は消音機能付きが便利です。
この鈴は、「カランコロン」という音ではなく、「リーーーーン」と響く音ですので、あまり耳障りじゃなくていい音です。
一説では、人間に耳障りじゃない音はクマにも心地いいらしいですが、それがクマよけの効果に影響があるかどうかはわかりません。
心地いいからって、「何?何?いい音!」ってツキノワグマが寄ってきちゃうのかしら・・・。
千葉の山などではクマの心配はないものの、あちこちにイノシシの罠が仕掛けてあり、熊鈴鳴らした方がいいのかどうなのか・・・悩ましいです。
意外と人間同士でも鈴で相手の存在を認識していたりすることもあるので、鈴を着けていてくれた方が良い、という人もいますね。
対人間だと迷惑だという人がいたり着けた方がいいという人がいたりで悩ましいのですが、対熊でも中には鈴の音に引き寄せられて人間を襲いに来る、なんて恐ろしい話も聞きます。
でも本州のツキノワグマについては鈴を鳴らした方がよさそうです。
ラジオを鳴らす、笛を鳴らす、爆竹を鳴らす、等も昔から行われてきたクマよけの方法です。
鈴を鳴らすべきか否かは、ツキノワグマと突然出会ってパニック状態になりそうな状況かどうか、で判断するといいかもしれません。
夏の百名山など、例えそこがツキノワグマの生息地でも大名行列状態で渋滞した登山道でツキノワグマと出合い頭に・・・ということも考えにくいので、熊鈴は鳴らさないけれど、ツキノワグマの生息密度が低い関東地方の低山でも、雨の平日だったらヒトが少ないから鳴らす、とか。
とにかく治療より予防です。
あちらに気づいて逃げていただきましょう。
ずーっとしゃべってるお喋りな人と同行するのが一番の安全策かもしれませんが、今度はストレスの問題が発生します。
乗鞍のバスターミナルで起きた事故のように、人がたくさんいる場所にツキノワグマが出現するレアケースもありますが、その場合はもう静かに冷静に素早くその場から立ち去るか、熊が入ってこれない場所に避難するしかないでしょうね。
それでもツキノワグマと出会ってしまったら
急所は守る
ツキノワグマ発見!
こちらしか気づいていなかった場合(たいがいの場合、あちらが先に気づいていますが)は、驚かさないようにあちらに気づいてもらい、あとずさりしながら離れましょう。
山であとずさりするのは難しいけれど。
それでも不幸にもツキノワグマが明らかに殺気立ってこちらに向かってきた場合はどうしたらいいのでしょう。
寝たふりしていると永眠しかねません。
最悪の状況ですが、急所だけは守りましょう。
地面に伏せて、両手を首の後ろで組みます。
とんでもない恐怖でしょうが、これが一番の安全策だといわれています。
こっちの方が強いんだぜと気迫で勝つ
ツキノワグマを撃退した猛者たちはこちらでしょうね。
いや、地面に伏せてやりすごした人々は声が小さいだけかもしれませんが。
YOUTUBEで渓流釣りの男性が突然ツキノワグマに襲いかかられていましたが、「オラァ!!」と気迫たっぷりに大声を出したら逃げていきました。
「怒っている」
「喜んでいる」
これは言葉の通じないものでも生物同士なら雰囲気で伝わる共通の感覚です。
気迫で追っ払えなかった場合は、もう多分爪か牙で攻撃してくるでしょう。
獣医さんが「犬より猫が怖い」というのは、猫の方が牙に加えて爪の分、武器が多いからです。
ツキノワグマの爪もなかなかのものですので、ダメージは大きいでしょう。
では牙は?
犬に手を咬まれたら、引かないで押せ、といいます。
口の中にぐいぐい手を押し込んじゃうわけです。
熊にも有効だと聞いたことがありますが、責任は取れませんよ。
対ツキノワ戦の生還者たちは、熊の顔面を攻撃して戦意喪失させているのも一つのヒントかもしれませんし、なんの参考にもならないかもしれません。
ツキノワグマには勝てないけど身体を鍛えて損はない
対ツキノワグマ戦の生還者たちは、幸いに軽症で済んだということ、空手の名人だったということなどから話題になりますが、秋田では亡くなられた方もいるのを忘れてはいけません。
ヒグマは論外ですが、小型のツキノワグマでもまず勝てません。
結構真面目に、体力が運命を左右させるかもしれません。
普段から鍛えておくに越したことはないでしょう。
山菜・キノコ採りにせよ、登山にせよ、体力が勝負です。
疲れてヘトヘトで脚が残っていないような状況で、熊と出会ってしまったら。
「この先で熊がでたよ」と誰かが教えてくれたとき、疲れてて遠回りしたくないから、という理由で熊の潜んでいる方向へ自ら向かっていくのは得策ではありませんし、体力を消耗してヘトヘト状態だと頭もまともに回りません。
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パンチ力よりは、足腰を鍛えることをお勧めしますが、サンドバッグ欲しいな・・・ストレスたまってるのかな・・・。
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外でアメリカ人みたいに陽気に歩いたり走ったりできないので、トレッドミルが欲しいのです。
なわとびすると、ふくらはぎがすごいことになるので、キックするにも、逃げるにもいい感じですね!
実際いまにも攻撃せんとしている動物を目の前にすると、猫やポメラニアン相手でもひるんでしまうものです。
相手を傷つけてもいいのか?という感情抜きだったとしても。
そもそもツキノワグマは四国や島根、三重、和歌山、奈良、広島、山口などでは狩猟が禁止されています。
絶滅の危険があるからです。
人間が楽しみのためにクマの生息地へずかずか入って行って、人身事故が起きたらクマの方が処分されるという不幸は避けなければいけませんし、そういった事故を防ぐのは人間側の義務です。
動物園へ行って実際のツキノワグマを観察すると爪のするどさやタフな毛並みがよくわかります。
本物を見ておくのはとてもいいことだと思います。
私は今までに2回、野生のツキノワグマに出会ったことがあります。
一度は群馬県内で、スキーゴンドラの上から。
二度目は新潟県内で、ドライブ中に、路肩に駐車して車から観察しました。
二度目は特に近くて、10メートルくらいの距離だったと思いますが、ゆったりして毛艶のよい美しい動物だと思いました。
しかしその余裕も金属の塊の中で守られていたからなのでしょうね。
ヒグマは自動車のドア普通に開けちゃうみたいだからロックしないといけませんね。