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刹那糞(せつなぐそ)とは?
刹那糞(せつなぐそ)とは。進退窮まった状態でたれてしまう大きい排せつ物のことです。
いちばん有名なのは、我らが(?)徳川家康公のエピソードではないでしょうか。江戸幕府をひらくだいぶ前、武田軍と戦った「三方ヶ原の戦い」でギタギタに敗北し、馬上で大きい方を漏らしたというお話です。
家康公がすごいのは、このときのことを後まで忘れないよう、戒めとして肖像画にしちゃったという逸話。普通だったら恥ずかしくてさっさと忘れてしまいたいところを、自らの戒めとしたというのですから、大物はやはり違います。
画だけではなく像にまでなっています。
この像の元になった肖像画は、「徳川家康三方ヶ原戦役画像」で徳川美術館に収蔵されていますが、家康公がお顔をしかめているところから「しかみ像」とも呼ばれ、どちらかというとしかみ像としての方が有名かもしれませんね。
家康公が戒めのために、といいますが、実はこれはもっと後の時代になってから、家康公の大物ぶりを伝えるために描かれたものらしいです。
私たちも小さいことでくよくよと悩まず、かといって大きなことを成し遂げたからといって威張らず、家康公のように幕府を開いてみたいものですね!
猫が刹那糞するのはどんなとき?
一般的に、猫はトイレのしつけは比較的しやすい動物なのではないでしょうか。実際、ペットショップやブリーダー、保護施設などから猫を譲り受けた場合、きちんとトイレの用意さえしておけば、そこでしてくれることが多いと思います。
もちろん、影でしつけを施すために尽力してくださった人があってのことではありますが、それでも新しい家に来たがためのトイレの失敗というのは少ない方ではないでしょうか。
環境の変化でちょっと苦労したこともありますが、基本猫って猫トイレのような砂状の場所で用を足したい生き物なんだと思います。
ところが刹那糞、おもらしはそういった猫の習性をも凌駕するインパクトを残すことがあります。
猫が刹那糞をたれるシーンというのはどんなときでしょう?
- お風呂にいれたとき(私の場合いつもこれです)
- 動物病院の診察台で、あるいは通院途中のキャリーバッグで
- 猫同士のけんか
- 犬に追い詰められた
- 知らない場所に閉じ込められた
こんな感じでしょうか。いずれにせよ、猫が強い恐怖感やストレスを感じたとき、というのが共通した部分です。
お風呂に入れたとき
猫の中には、お風呂好きという奇特な猫もいるようですが、多くの猫ちゃんはお風呂が嫌い。お湯が嫌いだし、シャワーの音が嫌いだし、湯船に入るなんてもってのほか。
我が家の猫は10歳を超えてからはノー風呂ですが、若いころは抜け毛対策でたまにシャンプーしていました。そして、シャンプー中に小さい方を、ドライヤー中に大きい方を粗相したことが1度ならずあります。
普段はトイレの失敗などしない子なので、これも刹那糞の一種といえるのではないでしょうか。
動物病院の診察台or移動中
健康な子でも、ワクチンで動物病院へ行く機会はあるでしょう。もう無意識にキャリーバッグの中にはトイレシーツを敷いているのですが、診察台でもやらかしたことがあります。
尿のお漏らしはペットシーツで吸い取るのが一番早いように思いますので、キャリーバッグに敷くペットシーツを2枚か3枚重ねておき、動物病院でやらかしたらそれでサっと拭いています。
これも「イヤなところに来た」「いやなやつ(獣医)がいる」「イヤなやつんとこにいくのイヤだ」とイヤイヤだらけのストレスから来るものなんでしょうね。
閉じ込められたとき
これもキャリーバッグ問題と重なる部分ではありますが、猫って寝てばかりのくせに、起きた時に自由に動けないのが許せない動物じゃないですか?うちのはそうです。
それでも工事を伴う来客など、猫自身に危険が伴うようなときは、自由に動けない環境に置かれることがあるでしょう。そういう時にやらかします。
トイレを用意しておいても、わざわざトイレのすぐ横とか、嫌がらせのようにやってくださいますよ。
猫や犬とのケンカ
完全室内飼いが主流なのであまり怒らないことかもしれませんが、猫も戦で追い詰められると家康公と同じように垂れてしまうようです。ていうかこれが一番正当な理由かも?
猫の刹那糞のメカニズム
いつもはトイレの失敗のない猫が、どうしてヤバい状況で刹那糞という行動にでるのか?科学的に証明されてるわけではないので、憶測で語ります。
恐怖が身体のコントロールを制限する説
猫は恐怖を感じたとき、どうなるでしょう?耳が後ろになって、毛が逆立って、シャーという。逃げる、隠れる。走り回る。パニック状態になった猫は天井をも走るといいますね。そしてしばしばおしっこやうんちをおもらしする。
恐怖やストレスによるパニック状態に陥り、おしっこやうんちを漏らしてしまうのは猫だけじゃないかもしれませんが、猫あるあるです。恐怖によって排便のコントロールができなくなるともいわれています。
猫に限らずですが、動物の排せつのシステムは、私たちが思っているよりもだいぶ複雑な信号が絡み合ってはたらいているようです。催して、トイレに行って、排せつする、というのは奇跡のような出来事なのかもしれません。
猫の転位行動からくる説
猫が喧嘩の最中に、とつぜん毛づくろいを始めたり、爪とぎを始めたりするのが転位行動です。転位行動は、人間でもみられる行動です。何かやらかしちゃったりしてやばいときに頭をかいたり、あくびしてみたり、その場とは全然関係のない行動をすることをいいます。
いつも刹那糞をたれる実家の猫。彼はパニック状態になったそぶりは見せず、突然腰を落として刹那糞をたれるのです。それはいつもシャンプー後のドライヤーをかけているとき。
私はこの場合の刹那糞は、恐怖やパニックというよりは転位行動なのではないかと思っています。シャンプーは何度もしていることなのに一向に慣れる気配はありません。彼なりに刹那糞で気を紛らわせつつ、なんとか乗り越えいる辛い現実なのかもしれません。
猫のおもらしはしつけられる?
こんな顔されたら「大丈夫大丈夫」っていうしかないじゃないですか!?
トイレのしつけとは違って、猫の刹那糞はしつけで抑えるのはムリだと思われます。いかんせん自分の意志をもって行動しているわけではないからです。
だから、猫の刹那糞、おもらしをやめさせる方法は、猫がストレスを感じる状態を作らない、というのが方法といえば方法なのですが、動物病院などは避けられないものです。
猫がおもらしをしたとき、飼い主が驚いて騒いでしまうと猫はよけいパニックになってしまいますので、冷静に落ち着いた態度でいられるよう、もらされても大丈夫な環境の準備をしておくのが現実的な方法といえるでしょう。
診察台やキャリーバッグにはあらかじめトイレシーツを敷いておく、ポリ袋やウェットティッシュを必ず持参するなどしておくと安心です。
私も、実家の猫が刹那糞をたれるタイミングはなんとなくわかったので、あらかじめトイレットペーパーやウェットティッシュなど処理用グッズを手元に準備しておきます。
根本的な解決法はストレスを与えないこと。驚かせたり怖がらせたりしないことです。子猫のときからストレス耐性が強い猫になるように育てられればそれが一番かもしれませんが、生まれ持っての性格というのもありますので、ビビリな子はビビリですしね。
すごい雷の日や花火大会などは、観たいものがなくてもテレビをつけて誤魔化したり、「大丈夫大丈夫」と内心超ビビリながらも言い聞かせたりしています。この声かけはかなり大事です。
動物病院など避けられないストレスの場合、中止するのは現実的ではないかもしれませんので、対症療法的な方法になります。
どちらにせよ、飼い主さんは家康公のように(?)大きな気持ちで見守ってあげたいものですね!
犬のうれしょんはやめさせられる!