愛媛県立とべ動物園のしろくまピースが12月2日、18歳の誕生日を迎えました。
しろくま、ホッキョクグマの人工保育はとても難しいといわれている中で、ピースの18歳は
本当におめでたいですね。
ピースがまだ小さかった頃、飼育係さんが自宅に連れ帰ったりして献身的に世話する姿と、激烈に可愛らしいピースを覚えている方も多いのではないでしょうか。
シロクマってかわいいだけじゃなくて、ハイブリッド問題だったり食べると危険だったり色々奥深い動物なんですよ。
とべ動物園の人気者ピースは18歳になってもアイドル
ピースは1999年12月2日にとべ動物園で生まれました。
母熊は初の出産で、育児放棄したため、ピースは保育器に入れられ、人工保育されることになりました。
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ピースには同時に生まれた兄弟がいましたが、母熊にかみ殺されてしまったそうです。
ホッキョクグマの世界では、2頭の子供を産み、1頭しか育たないのは普通のことだとか。
近年の地球温暖化の影響で、ホッキョクグマの食糧事情は厳しくなる一方ですので、その中で2匹産んで強い方を育てるという方法をとっているのかもしれません。
ホッキョクグマの人工保育はとても難しいと世界的にも認識されていましたが、とべ動物園の飼育係さんは勤務時間外も自宅に連れ帰り、家族の協力を得て、ピースから15分以上離れないようにして育てたんだとか。
15分って大変ですよね。
ピースのドキュメンタリをTVで見たときは、あまりのピースの可愛さに「どうして私の父親はシロクマの飼育係じゃないんだろう」なんて思ったりもしましたが、命を預かる仕事、今なら大変さを理解できます。
ちなみに、しばしばピース死亡説が流れるみたいですが、2018年7月現在元気に過ごしていますよ。
愛媛県立とべ動物園 今日のピース
ハイブリッドシロクマ問題
これもテレビのドキュメンタリで見たのですが、中国の動物園でホッキョクグマとグリズリーのハイブリッドをホッキョクグマとして展示していた問題。
地球温暖化の影響で、グリズリーの生息域が広がり、自然下でもホッキョクグマとの交雑は見られるそうです。
野生種の保護を目的としたワシントン条約が締結され、ホッキョクグマの価格は高騰しました。
動物園が手に入れるには何千万円も支払わなければ入手できませんが、ハイブリッド種は比較的安価だそうです。
「池の水ぜんぶ抜く」でもイシガメの遺伝子汚染について触れていましたが、これが野生種だけでなく、ビジネスとして意図的に行われる1例でしょうか。
進化上、約15万2000年前にヒグマと枝分かれしたといわれるホッキョクグマが、長い時間を経てまたもとに戻る?
ハイブリッド種は見た目でも毛がもさっとして盛り上がった肩、曲がった爪、と、ヒグマの特徴がよく出ていますので、これを動物園で「ホッキョクグマ」として展示するのはどうかと思いますし、動物園の大切な役割、「繁殖」においては使えないですね。
もちろんハイブリッドクマ自身に責任があるわけではないので、誕生したものに関しては最後まで責任を持って飼育するべきですが。
野毛山動物園、ホッキョクグマの記憶
私の住んでいる横浜市には、野毛山動物園という無料で入園できる動物園があり、市民に愛されています。
私も歩き始めた頃から、大人になるまで、何度となく訪れた大好きな動物園です。
ここには以前、ホッキョクグマがいました。
ズーラシアという大きな動物園が開園した際、野毛山動物園からホッキョクグマが移送されることになりました。
ズーラシアの方が施設も新しく、より生体のことを考えて作られており、ホッキョクグマは新しい環境で快適で暮らすものだろうと思っていました。
ところが、移送中の麻酔事故でホッキョクグマが死亡してしまったのです。
ズーラシアでは他のホッキョクグマが飼育され、人気を集めていますが、送り出した側の野毛山動物園ではそれ以来ホッキョクグマは飼育されていません。
もともとズーラシアに完全に移行するという話だった野毛山動物園。
市民の意見で残されたこともあり、新たに大型動物を迎え入れることはもうないのでしょう。
現在、元々ホッキョクグマが飼育されていた飼育舎は飼育舎自体を展示物として公開しています。
これはこれで勉強になり、楽しい展示だと思いますが、昔、本物のホッキョクグマが飼育されていたころを知る人々はちょっと寂しい気持ちを味わっているようです。
私の記憶では「ミドリグマ」と呼んでいました。
ホッキョクグマの毛は透明で、飼育下にいると藻などで緑になってしまうこともあるそうです。
野毛山のシロクマはまさにミドリグマでしたが、愛らしい仕草や表情を今でも覚えています。
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ものすごい既視感がある絵本。うーんノスタルジー!!
ホッキョクグマには毒がある?
ホッキョクグマは肝臓に高濃度のビタミンAを保有していると言われています。
脂溶性ビタミンのビタミンAは、普通の食生活では過剰摂取になることはありませんが、
クジラやシロクマの肝臓は少量にしておいた方がいいとか。
ホッキョクグマを食べて暮らしてきた先住民族の方々も、肝臓は犬にも与えないそうですよ。
また、ホッキョクグマにはせん毛虫(寄生虫)がいることが多く、気球で北極を訪れた探検家が生食して命を落としたそうです。
ちなみに火を通した方は無事だったようです。
米軍のサバイバルマニュアルにも要注意と書いてあるとか。
お刺身好きの日本人やばい!
ただでさえ地球温暖化で食料の調達が困難になって生息数が減少し続けている希少な野生動物ですので、先住民族でもない限り、食べないに越したことはないですね。
「白熊効果」という言葉を知っていますか?
「白熊のことは考えないでください」と伝えると、白熊のことが頭から離れなくなるとか。
切ない片思い中のあなた、お友達に協力してもらって「マナミのことは考えないでください」「ダイスケのことは考えないでください」って彼or彼女に伝えてもらおう!
ホッキョクグマには毒がある。クリオネは?