野生動物の大量死はなぜ起こる?ナミビアのカバは炭疽菌に感染?

アフリカ南西部、ナミビア北東部のブラブワータ国立公園で野生のカバが100頭以上大量死したそうです。
以前にも同じような大量死が起きたことはあったけれど、ここ最近ではなかったとのこと。
野生動物の大量死はどうして起こるのでしょうか?

落雷による野生動物の大量死

ノルウェーの国立公園では300頭以上のトナカイが落雷によって一度に命を落としました。
1万頭以上の野生のトナカイが暮らしているハダンゲルビッダ高原で、激しい雨と雷を避けようと1か所に身を寄せ合っていたそうです。
放牧された家畜の牛が落雷によって集団で亡くなることはたまにあるようですが、野生動物の落雷による大量死は珍しいとのこと。
突然空から落ちてくる電気、避けようがなかったのでしょうね。

海水温上昇による大量死

太平洋で発生した暖水塊や有毒な藻類の発生でアラスカではラッコの大量死が起きています。
他にもヒトデや、ウミガラス・ウミスズメなどの海鳥、クジラなどにも被害が出ています。
この海洋生物たちの大量死は、北米西岸の海水温が観測史上最高温度を記録したときに起きています。
本来なら嵐が起きて海面の熱を吹き飛ばしてくれるはずなのに、異常気象で嵐が起きなかったとか。
被害をもたらす一方で、嵐にも大切な役目があるのですね。

野生動物,大量死

炭疽による大量死

今回のナミビアでのカバの大量死は、まだ確認はできていないものの、炭疽菌によるものではないかと言われています。
土壌の常在菌の炭疽菌が、水場の水位が下がって土が露出したためカバに感染したとも考えられます。
2004年にはウガンダで200頭近いカバが炭疽で死んでおり、その際は少なくとも10人が死んだカバを食べて亡くなったそうです。

炭疽菌って?

炭疽菌は土壌の常在菌で、土の中では芽胞という殻を作って閉じこもり、生物に侵入すると活性化して活動します。
日本ではオウム真理教が生物兵器として散布しましたが、幸い弱毒化していたため失敗に終わりました。
それでも近所では悪臭がしていたそうです。
9・11の頃のアメリカでは、郵便物に炭疽菌を仕込む生物テロが発生し、死者5名、負傷者17名という被害を出しました。
このように人畜共通伝染病の病原菌でありながら、生物兵器としての方が有名かもしれない炭疽菌です。
なぜこれほど生物兵器として使われるようになってしまったのでしょうか?

  • 人と人の間で感染しない
  • 治療法やワクチンが存在する
  • 短期間で感染症を起こす

というのが理由だと言われています。
生物兵器は準備する側の人間が感染してしまう危険性もあり、だから人間が対応できる菌でないと困ってしまうわけです。
本来はここに「生物兵器を使用した後の環境修復が容易」という条件も含まれていたそうですが、イギリスがスコットランドの無人島で行った炭疽菌散布実験では、除染作業を行った後も炭疽菌が芽胞状になり土壌に存在し続けることが判明し、その後2回のホルマリン消毒を行い安全宣言が出された今も無人島となっています。
とても環境修復が容易、とは言えないようです。
こうして生物兵器として研究が進み、生物テロで話題になった炭疽菌ですが、最初にその存在が発見されたのは羊の血液中からです。

カバ,大量死

今度のカバの大量死の原因が炭疽菌によるものなのか、調査の結果が待たれます。

天敵となる動物以外にも、気象条件や病原菌など、厳しい環境の中で野生動物たちが生きていることを再認識させられるニュースです。

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