世界の昆虫種40%減少…虫がいない世界とは?不潔で食糧難かも

虫なんていなくなればいい、と考える人もいるかもしれないし、実際にそう言った人もいます。信じられないことに、お家のドアの前にセミが落ちているだけで家に入れない、という人も少なくないようで。そりゃもう、セミに何されたのか知らないけど。ほんとに信じられない!でも実際、虫がいなくなったら世界はどうなるの?

昆虫の減少は現実に起きている

セセリチョウ

地球上のすべてのアリの重量は、すべての人間の重量より重い、と聞いたことはありませんか。
信じられないことですが、本当なのかもしれません。
昆虫セミナーで昆虫学の先生は、地球上の生物を分類していくと、昆虫類がほとんどだとかいっていました(ざっくり)。
その先生、このまま人口が増え続けたら必ず食糧難が起こるから、そうしたらメインの食糧は虫になる、とも仰っていましたが。
しかし、それほど数が多い昆虫類ですが、研究者によると40パーセントもの昆虫類が減少傾向で、絶滅の危機にあるものもたいへん多いらしいのです。
チョウやガの仲間の1/3、トビケラの仲間の約6割もが絶滅の危機に瀕しているというから大変です。
家の中に入り込んだガに「ギャーッ」となっている人にとっては喜ばしい?
いいえとんでもない、この世界からガがいなくなったら、本当に食糧難で虫を食べることになっちゃいますよ。
虫が食べられればまだいい方で、食べる虫すらいなくなってしまったら・・・。

どうして虫が減ってしまったの?

蝶

ヒトの農業の歴史は、天候もそうですが、虫との闘いでもありました。
肥料というものの発明で食料供給は安定した、といいますが、農薬の開発も大きいでしょう。
家族経営の小さな農園から、大規模農業へと農業のスタイルも変化し、使用される農薬も莫大になりました。
MRSAのようなスピードで農薬に対処することもできなかった昆虫たちはどんどん絶滅しました。
加えて地球温暖化による気候の変化や異常気象にも対応できない昆虫たちは絶滅しつつあります。
農地や宅地開発、森林伐採、護岸工事など、虫の住処はどんどん減っていきます。
なんかもうお先真っ暗です。
人間の身近にいる嫌われものゴキブリくらいしか進化して生き延びるのは難しいんじゃないかと思っちゃいます。
一方で、自然保護の流れがあるのも事実です。
日本でも、コウノトリやトキなどのために農薬を使わない地域があります。
各地で里山の重要性が見直され、蛍の幼虫やアユの稚魚を放流したりしています。

関係ないけどそのへんの川とか河口とか海で鮭が獲れる地域に住んでいる人がうらやましすぎます。
前世はヒグマだったのかも。

昆虫がいない世界はどんな世界?

フンコロガシ

虫がいない世界はどんな世界なんでしょう。
生物ピラミッドの下の方にいる分解者としての虫達がいなくなれば、動植物の死骸や排せつ物が植物の養分になることもないでしょう。
消費者としての昆虫たちもまた他の生物に捕食されるわけで、虫がいなくなれば虫を食べる鳥や動物全般がいなくなります。
そして食糧供給の1/3もの作物が昆虫による授粉に頼っているといいます。
花をつける植物全体の3/4が昆虫によって授粉しているというのですから、虫がいなくなったら植物も育ちません。
というわけで、ざっくりいえば不潔でひもじい世界といえるかもしれません。
ていうか、人間も生きてはいられない世界ですね!

コンクリートジャングルに生きていても、虫の世界は自分とは違う世界ではないのです。どんだけ頑張って対策しても沸いてくる蚊やGを見ていると虫なんていくらでもいるし絶滅するわけないでしょ、と思いがちですが、実際に虫は減り続けているのです!足元に転がるセミに悲鳴を上げるだけでなく、決して切り離せない人間と虫との関係に思いを馳せてみてはいかがでしょうか!

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