類人猿の研究で有名な京大の研究チームが、チンパンジーに「じゃんけん」の学習実験を行ったところ、じゃんけんを習得したそうです。
チンパンジーの手の写真を加工して表した
- グーとチョキ
- チョキとパー
- パーとグー
を見せて、勝ちの方を選択すればおやつがもらえる、ということを1日140回、約100日間ほど続けたところ、全員のチンパンジーが正解できるようになったとか。
ちなみにヒトの子で同じ実験をしても、4歳以上でないとできないそうです。
これ、チンパンジーだけじゃなくてカラスやヨウムも理解しそうな気がするのですが。
実践は鳥だと足でグーとパーはできてもチョキは難しそう。
チョキみたいになっていることもあるけれど。
動物園のチンパンジーとじゃんけんできたら
楽しいだろうなぁ。
だけど「じゃーんけーん」とやるにはリズム感が求められそうで、頭で理解するのと実践するのではまた違う訓練が必要そうです。
それにしても、チンパンジーは頭がいいですね。
そんなチンパンジーにはしばしば有名人が誕生します。
目次
オラウータンを逃がしてやったチンパンジーのアイ
京大のアイちゃんは文字や言葉を覚えたチンパンジーとして有名になりました。
抽象画ですが、絵も描けるそうです。
1989年、夫のアキラくんと一緒に鍵を開けて脱走した際、オラウータンの鍵まで開けて逃がしてやったとか。
何かを教え込まれてマスターするのもすごいですが、その能力を能動的に自分の意志でもって示したときに「天才」と呼びたくなります。
リズム感のあるチンパンジー、アユム
アユムはアイとアキラ夫妻の間に生まれた息子です。
ちなみにアイのお友達も子育てを手伝ったそうです。
アユムは数字を9まで小さい方から選択できます。
これは他のチンパンジーでもできると言われています。
そして一定間隔の音に合わせて電子ピアノを鳴らせるとか。
これはできるチンパンジーとできないチンパンジーがいて、リズム感の違いだそうです。
ちなみに母親のアイはリズム感ばっちりだそうですよ。
天皇陛下と握手したチンパンジー、スージー
故人ですが、上野動物園で暮らしていたスージーは芸達者で、自転車や竹馬、ローラースケートなどの芸を披露して人気者だったそうです。
そのスージー、上野動物園を訪れた昭和天皇の目の前に自転車で登場し、サっと手を差し出したところ、昭和天皇はちょっと驚きながらも握手に応じたということですから、素敵なエピソードです。
チンパンジーの握力がすごいことくらいご存知でしょうに!
で、このスージー、天皇陛下とのエピソード以外にも飼育員さん達との面白いエピソードが残っています。
- 飼育員さんに反抗して脱走したとき、
追ってきた飼育員さんがケガをしてしまった。
それを見ていたスージー、
それ以降は反抗するのをやめた。 - 住居と職場(飼育舎とステージですね)を
往復する際、
事務所に立ち寄ってお小遣い10円もらって
売店でキャラメルを購入していた。
おつりはちゃんと返却。
そしてそのキャラメルを飼育員さんに
プレゼントすることも。
スージーにキャラメルを貰うのが
ステータスになっていたとか。
わたしが飼育員さんだったら、絶対にキャラメルを貰えない自信があります。
スージーの最期は腸の病でしたが、獣医師ではなく人間の医師が担当したそうです。
志村けんの友達チンパンジー、パンくん
テレビ番組で有名になったチンパンジーです。
ブルドッグのジェームスとおつかいに出かけたりしていましたが、わたしはジェームスのリードをどっかに引っかけて首を絞めてしまわないか心配でしょうがなかったです。
当然どこかで番組スタッフが見張っているんでしょうが、瞬間的に何かが起こったら。
当然悪いのはパン君ではなくてスタッフなのですが。
で、パン君、飼育研修生の女性を襲ってケガをさせてしまい、その後のテレビ出演は難しいとか。
知能が高い動物は相手を見ますからね、特に雄のチンパンジーは「女性」に対してナメてくるんでしょうね。
で、パン君、ある物議を醸しました。
過度の擬人化は倫理的ではない、と。
また、現在の動物園の担う重要な役割のひとつに「種の保存」があり、芸を仕込むよりも子孫を残す努力をしなさい、と。
わたしも希少種であるチンパンジーに服を着せてドラマ仕立ての効果音つけて、って、ちょっとした気持ち悪さは感じます。
最近の動物番組全般にいえることですが。
スージーのような飼育の仕方はもう現代では行われないでしょう。
集客するのも動物園にとっては重要な仕事ですが、動物の習性を生かした展示で人気を保つ動物園もあります。
パン君、動物園の役割を再確認させてくれました。
母と手を繋いでいたわたしはチンパンジーとも間接的に繋いでいたはずだ
子供の頃、伊豆シャボテン公園でお散歩中のチンパンジーに出会ったことがあります。
わたしの母親は狂信的動物好きで怖がっているわたしを引っ張っていってあくまで「娘が握手したがっている」風に飼育係さんに触りたいアピールしていました。
当然わたしは怖くて無理で、母が「じゃあ代わりにわたしが」とかいって嬉しそうに手を繋いでいました。
狂信的な捨て魔の母ですが、祖母の形見はさっさと捨てても、この時撮影した、憂鬱そうなわたしと満面の笑みの母、
かわいいチンパンジーと飼育係さん、4人の写った写真は今でもちゃんと保管してあるのです。