池の水全部抜く!かいぼり外来種ミドリガメ達の行き先は?

もうすっかりテレビでおなじみとなった池の水全部抜く企画。もともと「かいぼり」として昔から行われてきたことで、愛好家(?)の方々はかいぼりが行われると聞くと見物しにいったものでした。それをテレビで見られるのですから便利な時代になったもんだ。それにしても池の水を抜いた末に出現するたくさんの外来種、主にミドリガメ。彼らの行方を気にかけている人もたくさんいるのではないでしょうか。

亀すくいやお祭りでミドリガメが気軽に入手

ミドリガメ

そもそも爬虫類というものがそれほどペットとして一般的なのかどうか?という話ですが、我々の身近なところではトカゲやカナヘビがお家の外をうろついていたり、池や畑でカエル(両生類ですが)がうろついていたり。
ペットとして飼育する、というのは、子供の頃に捕まえて観察する、という以外にはあまり考え辛いところかもしれません。
しかし!ミドリガメという存在。
正式にはミシシッピアカミミガメ、アメリカ原産の外来種。
その辺の夜店やペットショップで一匹500円くらいで売られていましたし、お祭りでは金魚すくいと並んで亀すくいが営業していました。
割と気軽に安価で手に入るものですから、子供の頃から近所のお宅でミドリガメが飼われていることは多かったです。
亀は万年と申しますが、当然それも上手に飼育したからで、大概の場合子供のやることですから、それほど長くは生きられなかったように記憶しています。
しかしうまく飼育された場合、何十年も成長し続け、あんなに小さかったカメが、巨大になっていきます。
ミシシッピアカミミガメの野生下での寿命は30年、飼育下ではより長くなるでしょう。
露店の亀すくいのおっちゃんはそんなこと教えてくれません。
手に負えなくなった亀は、その辺の池に放されました。
常識というものの中には時代によって変わっていくものもありますから、情報の少ない時代、そうすることに罪悪感もなかったでしょうし、しょうがない部分もあると思います。
が、たまらないのは放流されたミドリガメ本人と、池にもともと暮らしていた生物達ですね。

ミドリガメのサルモネラ菌騒動

家庭でペットとして飼育されることも多かったミドリガメですが、その甲羅にサルモネラ菌を保菌しているということで一時パニック状態のようになり、多くのカメが捨てられる事態になったことがありました。
カメはとても水を汚します。
マメに水槽の水換えや清掃を行わなくてはならないのですが、その際に出る汚水などをきちんと管理しないとサルモネラ菌に感染しますよ、ということでした。
そもそもサルモネラ菌というのもとても身近にありふれた菌で、カメに限らず、動物全体が保菌しているかもしれない菌で、気軽にかわいくってチュッチュしちゃうワンちゃんネコちゃんも保菌していたりします。
それに、サルモネラ菌で体調を崩すには10の何乗分とかすごい量の菌を摂取せねばならず、カメの甲羅にチュッチュしちゃうとか、カメの飼育水を飲むとかしなければ大丈夫なはずです。
カメを触ったら手を洗うとか、カメの水槽掃除で使用した器具を清潔に保つとか、汚水の処理とかにごく普通に気を使っていさえすれば神経質になる必要もありません。

ミドリガメはそんなに悪い生き物なの?

ミシシッピアカミミガメ

良い生き物、悪い生き物っていうのも人間主観の傲慢な考え方なのかもしれませんが、人間中心の世界になってしまっているのも事実なのでしょうがないのかもしれません。
日本では侵略的外来種に認定されているミドリガメことミシシッピアカミミガメですが、アメリカでは生息地の環境破壊や乱獲で数が減っているそうです。
日本国内で飼育されているミドリガメも、しばしばニュースで外来種ミドリガメが取り上げられる度に、「これは悪い生き物なんだ!」と考えられて遺棄されるカメが増えるそうです。
あくまで侵略的外来種というのも日本における在来種に対する影響から付けられた名前で、お家の水槽でまったり日向ぼっこしているミドリガメことミシシッピアカミミガメには何の罪もありません。
そのカメを水槽からその辺の池に放流すれば侵略的外来種そのものになってしまいます。
カメさんに快適な水槽と日向ぼっこの喜びを提供し続けるのは飼い主の義務です。
ミドリガメを飼育することが悪いことではないのです!

iZooはミドリガメの最後の砦なのか

人間に翻弄された不幸なミドリガメたちの最後の砦ともいえる存在が伊豆にある爬虫類の動物園、iZooです。
募金を募り、回収されたミドリガメ専用池の建設をしたり、池の水を抜く番組を見て「いやでもあの外来種達どうすんのさ」と心配している視聴者をホッとさせてくれる存在です。
私は前身の「伊豆アンディランド」の時以来出向いたことがないのですが、友人が行って「やばい、Gが、やばい」と興奮していました。
Gがやばい?爬虫類の動物園なんじゃ?と思って調べみると、なるほどGもやばそうですが、園内のレストランでワニ肉を出すことの是非が論じられていました。
私はワニ肉がどれほど美味だとしても食べたいとも思わないのですが、ワニ肉目当てでお客さんがたくさん来て、それで園内の爬虫類たちがハッピーならそれもありなのかな?とも思いますが、やっぱりワニ肉は食べる必要はないとも思います。
でも、iZooはミドリガメを飼ってくれるいい施設、だとか、ワニ肉を出すからヤダ、とか、そんな話以前に、世界中の珍しい爬虫類を観察できる貴重な施設ですから、私も近いうちに出かけてみたいと思います。
Gはやだけど・・・。

かいぼり 外来種

かいぼり(池の水抜く)で出てくる生物たち、特に池に戻せない生き物のその後を気にしている人々は思いのほか多いようです。わたしもその一人ですが。在来種を守るために外来種を駆逐する。その陰でどれほどの外来種の命が犠牲になったのか。どうしてこんな事態になったのか。同じ間違いを繰り返さないことが大切だと思います。

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